広島の川辺で憩う

かつての太⽥川は広島の⾈運を担い、広島⼈の憩いの場でした。ある意味で家にとっての通路であったり寛ぎの場であった「縁側」のような場所でした。 しかし、戦後に河岸沿いの家々が撤去されて公共の緑地空間となってゆくにつれて、市⺠の意識から遠ざかって⾏ったのは⽪⾁なことでした。

今や市⺠の多くにとっては、川はあって当たり前だが意識しない、空気のような場所となっており、積極的に活⽤し楽しむ場所と評価されていません。

基町環境護岸(相⽣橋東詰上流側)のスペースを市⺠に広く利活⽤してもらうため、民間管理団体「River Do!基町川辺コンソーシアム」が発足しました。その端緒となる活動として、川辺というオープンな空間を⾳楽を切り⼝にした新たな⾵景を創り出します。

原爆投下の⽬標にされた相⽣橋のたもとから、楽しくくつろげる⽇常を作り出すことは、原爆投下から1世紀に向かう最後の四半世紀を迎える今、たいへん有意義なことです。

川は⼭から、⼈⾥を通って海へと流れてゆきます。SDGsが謳う循環型社会や持続可能なよりよい未来環境を⽬指すにあたり、⾃然は全てが繋がっていることを私たちは川の流れから感じ取るべきでしょう。

太⽥川が育んだこの地から多くの⼈たちが世界に渡り、国際化を果たしてきました。

今も広島の川を⾒つめていると地球規模の世界観が⾒えてくる気がします。

そんな川辺に市⺠が集う⼼地よい場所を作って共有したい。
それを媒介するため⾳楽の⼒を借りてみよう。
この空間に合う⾳楽は何だろうか。

“川辺に流れる⼼地よい癒しの⾳楽はボサノヴァだ”

ボサノヴァは視覚的に川の⾵景と親和してリラックス効果を⽣みます。ボサノヴァが⽣まれたのは、リオ・デ・ジャネイロの海岸であり、そのブラジルはコーヒー⾖の最⼤の産地であり、多くの広島県⼈が渡った歴史があります。

そして現在の平和公園であるかつての繁華街中島地区には⼤正時代創業の広島初の喫茶店「ブラジル」がありました。全ては繋がっているのです。

この川辺をオープンな喫茶店と捉えて、平和と環境と歴史と癒しを「ブラジル」をモチーフに、肩肘はらずリラックスしながら寛げる広島の「縁側」を作ります。

川の街の特⻑を活かした新たな広島の街づくりとなる、本イベントへのご期待とご助⼒をお願い申しあげます。

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